大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)769 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人池辺甚一郎の上告趣意第一点及び第二点について。

物価統制令は憲法第二五条の精神に反するものではないこと、及び価格の統制が

廃止されても一旦成立した物価統制令違反の犯罪を無罪たらしめるものではなく、

従つて憲法第三九条にいわゆる「既に無罪とされた行為」に当らないことは、昭和

二五年(あ)第二一〇六号同二六年一二月五日大法廷判決に徴し明らかであるから、

論旨はいずれも採用するに足りない。

同第三点乃至第六点について。

論旨はいずれも刑訴第四〇五条の上告理由に当らないから上告適法の理由となら

ない。なお本件物価統制令違反の取引について被告人は予め県当局の諒解を得てい

たという所論の主張は、同令第七条に基く例外価格の認可があつたというのでもな

く、仮にその程度に至らない県当局の諒解があつたとしても、統制価格を左右する

効力のないこと勿論であるから、統制違反の罪責を免れしめる事由に当らない。従

つて原審がこの点につき審判しなかつたことは当然であつて、違法ではない。

記録を調べても本件について刑訴第四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴第四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見によ

り主文のとおり判決する。

昭和二七年二月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

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